テトロドトキシンのメカニズム
フグっておいしいですか?
私、しばらく(10年くらい?)食べてないのでどんな味か忘れました笑
あんこう鍋が我が家の鉄板でした。
そんな庶民には手の届かない高級魚であるフグですが、体内の一部にテトロドトキシン(以下TTX)と呼ばれる毒をもってることで有名ですね。
最近はあんまりニュースとかで聞かないですけど、TTXによって死亡するケースもあります。注意が必要ですね。
でもなんでフグ食ったら死ぬの?って話ですよね。
TTXが体内に取り込まれたとき、どのような反応を示すのか。
今回はこの辺りの話をお送りします。
神経の興奮と活動電位
興奮って変な意味じゃないですよ。
TTXの作用を知るために、神経における興奮の伝導について軽くまとめました。
神経に、ある刺激(中枢部からの指令や外部からの刺激)が伝わると、神経に活動電位と呼ばれるものが発生します。
発生した活動電位は、その部位で局所電流を生じさせ、隣接部を脱分極させます。
脱分極された部位は電位依存性のNa̟⁺チャネルが開口し、Na⁺の流入により再び活動電位を発生させます。
以上の事を繰り返し神経軸索に沿って興奮が伝導します。
高校生物を学習していない方には少しイメージしづらいかもしれませんので、なるべく簡単に下に図示します。
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パソコンで書いてるんですけど、字書くの難しいです。ごめんなさい💦
説明が足らない部分もありますが、大体こんな感じで神経において興奮が伝導します。
要するに、Na⁺チャネルが開き、Na⁺の流入によって電位が変化することが重要なんですね。
テトロドトキシンって麻酔的な説
TTXは麻酔的な説です。
先ほどの神経における興奮の伝導について、Na⁺チャネルの話がありました。
TTXはこのNa⁺チャネルに作用します。Na⁺チャネルを外からブロック(蓋)をして、Na⁺の流入を阻害します。
これによって、興奮が伝導しなくなり、局所麻酔のような状態になるのです。
そして、脳からの指令(呼吸など)が遮られ、最悪死に至るのです。
以上が今回のお話です。
毒と言われると、腹痛などを引き起こすポイズン的なものを想像しやすいですけど、神経に作用するものもあります。
ちなみにTTXは麻酔効果を利用した、鎮痛剤としても用いられています。
フグの話をすると、久々にてっちりを食べたくなりました。
それでは。