鳥の肺は膨らまない?!
鳥の肺は膨らみません。
えっ?
うちのインコ、呼吸する度にお腹動いてますけど。。。
そうですね。
確かにお腹は膨らみます。でないと息を吸えません。
同様に吐くときもお腹を絞らないと吐けません。
でも肺は膨らまない。
なぜか。
鳥類と我々哺乳類とではそもそも呼吸器の構造が違うのです。
よって今回は鳥類の呼吸器の構造と、どのようにして呼吸をしているのかを詳しく解説したいと思います。
哺乳類の呼吸方法
まずは、哺乳類についておさらいです。
小学校(中学校?)で習いましたね。
肺には肺胞と呼ばれる空胞が多数存在しています。
吸気では、横隔膜が下がり胸腔内が陰圧になることにより、肺胞に空気が入ります。そこで酸素と二酸化炭素の交換を行います。
呼気では同じ理屈で肺胞が萎み空気を出します。
これを繰り返し、我々哺乳類は酸素を取り入れ生命活動を維持しています。
鳥類の呼吸方法
呼吸器の構造と機能
鳥類は飛翔するため、非常に効率の良い代謝が必要となります。
そのため、気嚢と呼ばれる器官が発達しており、ポンプのような役割を果たしています。さらに、空気を蓄えることも可能です。
多くの鳥類では気嚢を9つ持っています。
上の図のような感じです。
鎖骨間気嚢以外は、それぞれ一対あるので合計で9つです。
さらに
頚気嚢・鎖骨間気嚢・前胸気嚢を合わせて前気嚢、
後胸気嚢・腹気嚢を合わせて後気嚢
と分類されます。
呼吸時における空気の動態
吸気で取り入れられた空気はまず、後気嚢に蓄えられます。①
その後、後気嚢が収縮し、空気を肺に送り込みます。②
空気は肺を通り抜け、その時に酸素と二酸化炭素の交換を行います。②
肺を通り抜けた空気は前気嚢に蓄えられ、呼気で体内から排出されます。③
①
②
③
このような流れで鳥類は呼吸をしています。
哺乳類は、肺自体を蓄える空間として、さらにはCO2とO2の交換の場として利用しています。
しかし、以上のことから分かるように、鳥類の肺は膨らむことなく、気嚢の収縮や膨張による空気の移動の通り道において、その役割を果たしています。
今回の無駄話は以上となります。鳥類には、哺乳類とは異なる生物学的な特徴が多くあるので、これを機にいろいろ調べてみることも面白いかもしれません。
それではこのへんで。